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過去の法話

 

ナモアミ座(8月下旬)

水仙

【天体観測】

 

先月最後の晩。
ニュースで「火星が大接近」と聞いて、
境内で天体観測をしました。

 

「あれが火星だよ。」
赤く輝く火星について説明していると、
息子が「あそこにはくちょう座!」

 

指さす方向には数箇の星。
「あそこが羽で、あそこが頭で……」
説明を受けると、はくちょうの姿が確認できました。
「そして、あれがわし座。」
しばしの説明を受けると、段々、はくちょうと向き合った鷲の姿が。
「はくちょう座のデネブと、わし座のアルタイルと、こと座のベガで夏の大三角なんだよ。」
「………なるほど。お、あっちに北斗七星があるぞ。」
「そうだね、おおぐま座だね。」
「……おおぐま座?」
またもや説明を受けると、夜空に巨大な熊が見えます。
小学生の時習ったはずなのですが、
すっかり忘れています。

 

表紙表紙(H.A.レイ『星座を見つけよう』7頁)

 

夜空に瞬く星たち。
その星が結びついて星座が出来ます。
昔の賢人が発見されました。
見えない線が見えるようになり、
姿が浮かび上がり、動き出します。

 

【ナモアミ座】

 

仏教の聖典は「経典」と言います。
この「経」は梵語スートラ(修多羅)の意訳。
本来はタテ糸を意味し、
転じて糸によって貫いて保持しているもの、
仏や聖者の教えを文章にまとめたものを呼ぶようになりました。

 

お経の説かれる教えは、私に糸を通します。
すなわち星座が星を結びつけるように、
私の様々な出来事を結びつけ、
仏さまのみ教えという筋を通すのです。

 

一等星のようによく輝く星もあれば、
肉眼では不可能、天体望遠鏡を使わなければ見えない星もあります。
人生も同様です。
鮮明に覚えている思い出もあれば、
ほぼ忘れてしまった些細な出来事も。
その一つ一つが、結びついています。

 

見えない線で結ばれた私の人生。
そこに星座のように姿形が浮かび上がります。
ナモアミ座。
「南無阿弥陀仏」という仏さまです。
おおぐま座のように、
人生の空一杯に拡がっている巨大な星座です。

 

「すべては如来大悲の出来事なり。」

 

いつでも変わることなくはたらく智慧の光があります。
「われにまかせよ」と喚び続ける慈悲の声があります。
それがナモアミ座です。
名の仏、声の仏、そして願いの仏さまです。
仏さまの方が願われています。

 

【星は願う】

 

ディズニー映画『ピノキオ』の主題歌「星に願いを」ではありませんが、
人は星に願い事をします。

 

今月12日のペルセウス座流星群。
子どもは必死でした。
突然音もなく現れ、すーっと消える流星。
とても願う暇はなく、
4歳の二女は大泣き。

 

星に願うように、
仏に願うというお経、み教えもあります。
ただし真宗の場合は逆。
真実の心を込めて「あなたを救いたい」と願われる仏さまです。

 

昼間は気づかない星々。
夜になっても気づかなかった星座、流星。
生まれた時からありました。
ようやく観えました。

 

法座で、法事で、説教を聴聞します。
「南無阿弥陀仏」のおいわれを聞きます。
「あなたを救い落とすことがあるなら仏とはならない。」
願い続け、輝き続ける阿弥陀さま。

 

「観仏本願力」(『願生偈』)(仏の本願の力を観ず)

 

ようやく観えました。
阿弥陀さまという仏の願いの力が観える者に、
お慈悲のはたらきに出遇う者になっていました。

 

私の裸の人生にちりばむ星々、ナモアミ座。
今日も阿弥陀さまと共に思い出を作っていく人生です。

 

(おわり)


 

 
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