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過去の法話

 

Mさんの別れ(7月上旬)

水仙

【こどもの日に】

 

Mさんが亡くなった日は子どもの日でした。

 

その一ヶ月半前に突然倒れたとの連絡を息子さんから受けた時はショックでした。
その2ヶ月前、当たり前のように寺報の発送作業を手伝いにきてくださってました。

 

急いで枕経へ行くと、お仏壇の側にMさんが。
眠っているかのような穏やかな姿でした。

 

Mさんの家族は粛々と葬儀をされました。
ご近所の方もずいぶん集まっておられました。

 

『親が子に残す最大の遺産は 死に行く姿を見せてくれることだ』
そんなHさんの言葉を思い出しました。

 

【法名】

 

七日参り中でこんなMさんの法名「釋住正」が話題に出ました。
30年以上前にご本山で帰敬式をされていただいた仏弟子の名前です。

 

けれども喪主の奥さまは否定します。

 

「釋住成ではないですか?自分のために作ってくれた箱に、主人は「釋住成」と書いています。」

 

確かに「釋住成」とありました。

 

けれども間違いでした。
実はMさんの息子さんの法名が「釋願成」。
その「成」と勘違いされたようでした。
両方とも「せい」と読めるので。
みんなで苦笑い。
悲しみの場で、少し笑顔がほころんだ時間でした。

 

【父の日に】

 

満中陰が父の日(6/16)でした。
(実際にはもっと後ですが日曜日で集まりやすく)

 

遠方より娘さんも集まり喪中最後のお勤めをしました。
全員でお正信偈を朗々とおつとめしました。

 

Mさんの一週間前にご往生された星野富弘さんのお話をさせていただきました。

 

「いのちが一番大切だと思っていたころ生きるのが苦しかった
いのちより大切なものがあると知った日生きているのが嬉しかった」(星野富弘)

 

ずっと夫婦で夜座にお参りくださっていました。
一緒に「いのちよりも大切なものがある」、
そううなずける世界、
苦悩を除く阿弥陀さまの法をきかせていただきました。

 

それから雨が続いて3週間後、七夕の日に納骨をしました。

 

【お陰様】

 

お盆参りが始まりました。
Mさんの近所をお参りすると出てくる言葉がMさんを名残惜しむ声。

 

「突然だった。まだそんなに年ではなかったが。町内が寂しくなった。」

 

町内自治会をもりあげるMさんでした。
几帳面な性格は、
お寺の大掃除の時にもよくみられ、
最後の掃除道具の片付けまで清掃していました。
手先が器用で、花まつりの甘茶かけの柄杓や花御堂の修復、
いろいろなものを作ってくださいました。

 

「寂しくなりました。
別れは辛いですが、
けれどもお陰様でお盆参りが、お経がいよいよ大切なものと思えるようになりました。
読経はあらためて「いのちを見つめる時間」だなと。
私はどこから来て、どこへ行くのか。
読経はそんな私の問いに応えてくれます。
お慈悲を味わうお勤めが楽しくなります。
お念仏が出やすくなりました。

 

毎日、世間の用事で煩しく忙しいお互いです。
でも出世間話、世間を超えた話を聞き今を喜ぶお念仏があって良かった」
Mさんに感謝する事です。

 

【法名】

 

Mさんの法名「釋 住正」。
この「住正」は「住正定聚」の略です。
正定聚に住む。
浄土真宗は他力の信心をいただいた時、
ただちにお浄土で仏となる身に定まります。
今生での一番の利益です。

 

その根拠が阿弥陀さまの「本願成就文」にあります。
Mさんの息子さんの法名「釋 願成」はこの「本願成就文」の略です。

 

阿弥陀さまが私に向けられた願い。
その願い通りの仏となられ、
いつでもどこでも離れず、さまざまな手段を行じて、
お浄土へ導くお慈悲の方となられました。
その最たるものが南無阿弥陀仏にあらわされています。
お念仏は私が仏の名を称えるものですが、
その内実は、
仏さまが私の名を喚び続けられています。

 

七夕は一般的に笹の葉に願い事を記します。
今、故人が私に願われた思いを、
今、仏さまが私に願われた思いを受けとめ、
お念仏申すことです。

 

(おわり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Mさんだけではありません。
突然の別れは私も同様です。

 

だからこそ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 
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