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過去の法話

 

やさしい真宗の法話(2月上旬)

水仙

【一山服喪】

 

先月の21日、祖父がお浄土往生いたしました。

 

専徳寺第十二世住職であり、日照学園前理事長。
法名月光院釈聡明。
偶然ですが、満月の日の往生でした。

 

大好きだったカープの三連覇を見届け、
寺内の報恩講が終わって一息した直後の往生。
享年103歳。
「堪能した」という口癖通りの人生でした。

 

【通夜】

 

「仏事は“わたし事”ですよ。」

 

そのように法話を聞き、また法話をいたします。
葬儀や仏事を通じて、死をわが事とうけとめ、
「本当の悲しみの解決にであいたい」と、
あらためて仏法のかたじけなさを味わいます。

 

「他人ではなく、家族の葬儀。“わたくし事”と聞かせてもらおう。」

 

しかし23日の通夜は想像と違いました。

 

目の前の棺を見ながら、
「私は今、何をしているのか?」
「誰の葬儀? なぜ祖父は亡くなったのか?」
気持ちが混乱します。
沸き起こってくる故人の思い出、口癖、惜別の情。
整理するのが精一杯で、
家族の通夜の仏法聴聞とはかくも難しいものかと教えられました。

 

【密葬】

 

24日の密葬は、
17人いるひ孫の内、14人が集まり、
ひ孫の泣き声の中、棺は閉じられました。

 

火葬後の納骨をする時です。
湯かんの時も、棺へ献花する時も、
ずっとニコニコしていた4歳の娘が、
突然泣き出しました。
ようやく事の重大さに気づいたのでしょう。

 

「ひいおじいちゃんはどうなったの?」
分かりやすく母親が、
「あのね、骨になったのよ。」
「なんで、骨になったの?」
「亡くなったのよ。」
「なんで、亡くなったの?」
ボロボロ泣き出しました。

 

葬儀が終わった一週間後の夜、
またもや娘は母親に泣きついたそうです。

 

「カナは死にたくない!」
「もうカナはお誕生日はいらない!」

 

相当にショックだったのでしょう。

 

【故人との縁】

 

4歳の娘の方が、死を“わが事”としていました。
けれども引き受けられません。
その通りです。

 

煩悩凡夫である人間は、
死を受けとめられません。
歳を重ね、理屈を並べられるようになると、
多少、死ぬのは怖くなくなりますが、
けれども完全には無理です。

 

生まれたからには死んでいかねばならない私たち。
簡単なようであって、
人間の知恵では越えられません。

 

故に亡き方をご縁として、お経に出遇わなければなりません。
このご縁もなかなか難しい事です。
しかし、やはり故人の行く末を通して
お経の文字、お経の言葉、お経の心、仏さまの心に出遇うのです。

 

4歳の娘には「仏(ほとけ)さま」と言ってもピンときません。
むしろ神様の方が好きなようです。

 

「神さまはすごい! だって願いごとかなえてくれる。」

 

テレビで知った知識を披露してくれる娘。
いずれテレビには決して登場しない、
この“お念仏さま”が好きになってくれると良いのですが。

 

【浄土往生】

 

祖父は往生しました。

 

立ち往生のように困った事でも、
大往生のように良かった事でもありません。
浄土真宗のみ教え、「浄土往生」とは、
今、御仏にいだかれて、
現実に目を背けはぐらかしがちな私が、
真実に目が開き、
報恩のお礼に生きる今生最後を言うのです。

 

27日の本葬の栞には、
前住職(父)が祖父の法話を掲載しました。

 

「やさしい真宗のお話」

 

満40歳の法話です。
今の私とほとんど変わらない頃の祖父の、
何とかして、真宗のみ教えに出遇ってもらおうという気持ちがよくあらわれています。

 

12世の志を受け継ぎ、
専徳寺をお念仏あふれる道場にしていきたいものです。

 

(おわり)

 

追記:やさしい真宗のお話は全部で55回あります。
    よろしければご覧ください。

 


「やさしい真宗のお話(1話〜30話)」


「やさしい真宗のお話(31話〜55話)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 
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