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過去の法話

 

木星と宇宙開発(2月上旬)

水仙

【教え育む】

 

坊守と一緒になって、今年が13年目です。
13年目…あっという間でした。

 

同様に13回忌のご法事をしながらふと思います。
13回忌…あっという間でした。
でもあなたが伝え残してくれた「み教え」、
大切にいただきます。

 

み教え…それは「教育」とあるように「お育て」です。
生涯、私を育み成長させるものです。

 

昨今、宗教や宗教体験の語に代わって、
スピリチュアリティー(精神性)という言葉が流行しています。
気持も分かりますが、
宗教の「教」の字、「み教え」の部分を大切にしたいものです。

 

【木星】

 

今月8日の明け方、お寺の開門後に夜空を見上げると、
半月の真下に大きく輝く星がありました。
調べると、木星でした。
真っ暗い中、燦然と輝いています。

 

急いで家に戻り、小学生の息子と娘を起こしました。
「観てごらん、月の下のあたり…あれが木星だよ!」
「へぇ!」
子ども達も興奮し、息子は宇宙の本を開き出す始末。

 

今度は結婚13年目の妻の所へ。
「観てごらん、月の下のあたり…あれが木星だよ!」
「ふ〜ん。」
しばらく観た後、すぐ台所へ。

 

坊守の気持ち、分かります。
そんな余裕はないのです。
3番目の子が病気で熱……明後日は生活発表会だというのに。

 

……

 

世間の事が忙しい時、なかなかお法を聞く余裕はありません。
法事の時こそ、仏法を聞くチャンスです。

 

真っ暗で寒い中、しかし燦然と輝く星があるように、
冷たい苦悩の闇を打ち破って届く、お慈悲の光があります。
「お念仏してごらん。これが阿弥陀さまなんだよ。観てごらん。」
法事で、故人が仏さまの光を指し示しています。

 

それは阿弥陀さまの光…それは願いの光です。
「仏教の理屈は難しくて…」という前に、仏さまの願い心に出遇います。

 

【宇宙開発】

 

宇宙に関して、こんなエピソードを読みました。

 

「なぜ有人ロケットを作らないといけないのか。」

 

宇宙開発に反対する人が質問しました。
ロケット一つ作るのにも何百億円かかる宇宙開発は勿体ない。
それより貧困問題といった地球上の問題にお金を回すべきだと。

 

「科学的成果もないのに、人が行く意味があるのか?」

 

それに対する宇宙開発側の答えは様々あります。
生物的欲求、地球環境の問題、等々。

 

しかしある人はこう答えました。

 

「反対の人にどう納得してもらうか。
言葉では難しいです。
ではどうするか……連れて行くしかありません。
いずれ宇宙に近い時代が来た時、誰も文句を言わなくなると思います。」

 

地球の世界と宇宙の世界。
同じ世界ではありますが、次元が違うようです。

 

宇宙の無重力の世界は、
地球のスカイダイビングで経験する「フリーフォール」とは似て非なるものです。

 

たしかに地球のエベレスト頂上、360度のパノラマの空間は雄大です。
しかし宇宙空間という、上も下も、十方が無限のパノラマとは比較になりません。

 

宇宙開発をする理由。
そこには国の利益とか、生活の豊かさという以前に、
「みんなをこの宇宙という世界に連れていきたい」
という願いがあるのかもしれません。

 

【信心開発】

 

「生活上の問題が山積みなのに、仏壇にお礼をするなんて、
 そんなことに時間を割く必要性があるのか。」
「病気の辛さや、家族の別れの悲しみもまだないのに、
 お寺へ行って、仏法を聞く意味があるのか?」

 

勿論、仏法を聞く理由は様々あります。
煩悩の問題や罪業の問題、わたしの死の問題等。
しかしそれ以前に、
私ではなく、仏さま自身の願いがあります。

 

「あなたをわが国、浄土の世界へ連れていきたい。」

 

私たち凡夫の世界と仏の世界。
同じ世界ではありますが、次元が違います。

 

慈悲平等の世界は、差別をなき社会、福祉充実の社会とは似て非なるものです。

 

歴史が積み重ねてきた人間の知恵、科学の力は素晴らしいものです。
しかし無分別智という、仏さまのとらわれなき智慧とは比較になりません。

 

逆立ちしても凡夫は凡夫ですが、
凡夫だからこそ、仏の智慧と慈悲に出遇えます。
浄土真宗のお寺の存在理由です。

 

浄土の世界、信心開発(かいほつ)の世界。
お聴聞を通して出遇います。
ご一緒に歩いてみませんか?

 

(おわり)


 

 
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